麻酔科(ペインクリニック)について
麻酔科の主な業務は手術中の麻酔管理と周術期の患者の全身管理ですが、麻酔科外来ではペインクリニックを行っています。ペインクリニックは、他の診療科で治療困難な痛みや原因が不明な痛みなどに対する治療です。外来では、ペインクリニックや麻酔相談を行います。
ペインクリニックの治療
腰、肩、ひざ、首、手足など体の節々に生じている痛みに適用される治療です。各種薬剤、関節注射、局所注射などを行っています。注射では、痛む部位の神経付近に麻酔薬を注射し、痛みを取り除いていきます。一時的な麻酔効果だけでなく、神経過敏が生じている患部を落ち着かせて、改善する効果も期待できます。
神経ブロックの効果
局所の循環の改善
交感神経節、または末梢神経中の交感神経線維がブロックされると、末梢の血管拡張が起こり、組織の循環が改善されます。これによって、局所の酸素欠乏が除去され、痛みが消失します。
また、病変部の自然治癒を促進します。例えば、帯状疱疹では疼痛の軽減と同時に炎症を抑え、皮膚病変の消退も促します。感染や物理的科学的な損傷による神経麻痺においても、神経線維の再生を促進させることが期待できます。
悪循環に陥った疼痛反射路の遮断
例えば、身体のある部分に痛みの刺激が加えられたとします。この刺激は刺激受容体から知覚神経に伝わり脊髄に達すると、脊髄上行路を通じて脳に伝えられる一方で、脊髄反射路を経て、傷害部位とその脊髄分節に相当する遠心性神経線維(交感神経、運動神経)を興奮させます。その結果、血管の収縮、発汗とか筋の反射性拘縮が起こります。
ここまでの反応は生体の防御機構として正常なものです。しかし痛みの刺激が除去されずに長時間続くと、筋拘縮や血管収縮の結果として局所の酸素欠乏が起こり、また代謝異常による発痛物質が生成され、これらが新しい痛みの刺激源となります。このようにして悪循環が形成されます。この悪循環は、最初に痛みの刺激を与える原因になった疾患がすでに治癒しても、単独で存在し続けることもあります。
このような悪循環を絶つためには神経ブロックがよい手段です。つまり、神経ブロックにより刺激部位より脊髄に向かう求心性インパルス、脊髄より末梢に向かう遠心性インパルスが遮断され、悪循環を断ち切ることができます。ただ、1回の局所麻酔薬によるブロックで長時間の疼痛寛解が得られ、ブロックを数回繰り返すことで痛みが完全に消失してしまうことは日常よくあることですが、その理由は悪循環を遮断したことによるものと考えられます。
運動神経ブロック
顔面痙攣や四肢の痙性疾患の治療に運動神経のブロックが有効です。運動神経のブロックで筋の拘縮(肩や筋肉のこり)がとれ、局所の循環がよくなります。
診療内容
日常生活を取り戻せるように、
リハビリテーションを行っています
自宅で介護療養を必要としている方(介護認定を受けられた方)のために、リハビリテーション、入浴、レクリエーション、食事の提供などを行っています。日常生活を取り戻せるよう支援します。